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August 27, 2005

NANAふたたび

同じモノを食って、同じ服を着て、同じ景色を観る。なのに、どうしてこんな視点を持てるだろう。

矢沢あいの才能には、ほんとに驚かされる。

ちょうど1年前のコラムでも、矢沢あい「NANA」を取り上げたが、いよいよ映画も公開されるし、ますますNANAの支持層が広がっていくように思えて、楽しみでしょうがない。
「天使なんかじゃない」のときから巧みだった複数のキャラクターの心情操作に加えて、本作では「当たり前」の風景を再解釈して、別の意味づけを提示する力がまた高まったように思える。まあ、僕のミソッカスな薀蓄など、どうでもいい。

見慣れた風景をどう観るかで、心のありようなど変わるもの。
「新しい」とは、そういうことだ。

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August 19, 2005

レゾン・デートル

スタンドマイク一本挟んで、緊張と弛緩を自在に操る漫才師っていう商売、ほんとに凄いと思う。気の狂いそうな作業や内面の苦悩を微塵も感じさせずに、「笑い」という高等な感情を引出すんだから、まさしく異能の為せる技なのだろう。

ハリガネロック。

関西で一世を風靡した後、東京に乗り込んできた漫才師であり、NHKの「爆笑オンエアバトル」の黎明期を牽引してきた彼らだが、先駆者であるほどに「バカ売れ」はしていない。掛け合いの妙と言い、間の作り方と言い、畳み掛け方と言い、その技量には圧倒的なものがあるのだが、どうやら露出の仕方から考えても、昨今の「お笑いブーム」の波は彼らを通過してしまったように見える。
まあ、軽薄なお笑いファンに、安っぽく「消費」されるだけの芸人で居て欲しくはないのだが。

このハリガネロックの背のちっこい方、ユウキロックのブログがまた面白い。
33歳という年齢の親近感もそうだが、『お笑い』を披瀝することが生業とは思えないほど、苦悩を赤裸々に綴り、しかして潔い。ブログを観てさらに僕は彼らのお笑いに興味を喚起された。

彼らは今年でコンビ結成10年。年末のM-1グランプリに出られる最後の年だという。

人生やってたら、勝たなきゃいけない場面がある。
目の前の様々な問題や課題をひとつづつクリアするのも良いけれど、より大きな問題・上位の課題をクリアすることで、小さな課題など吹っ飛ぶ瞬間がある。恋も、名声も、誇りも、信頼も、静謐な心も、自分自身も、M-1で結果を収めれば、ひょっとしたら全部いっぺんに手に入るかも知れない。

 -raison d'tre

スタンドマイクが、彼らの存在を証明する。
僕も、頑張ってみたくなった。

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August 14, 2005

Life belongs to memory

中学生の頃、司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読んだ僕は、すっかり新選組に、土方歳三にノボせあがってしまった。「漢(おとこ)」たるもの、「武士(もののふ)」たるもの、かくあるべし、とね。

当時、僕が解らなかったエピソードがある。
薩長との鳥羽伏見の戦いを前にわずかの休息日。鬼の副長として恐れられていた土方が、隊士に向かって言う(台詞は甚だウロ覚えですが・・・)。

「諸君、私に3日、休みをくれ。私には女がいる」

歳三は以前より相思相愛だったお雪と旅をし、3日間の「夫婦ごっこ」を楽しむ。

中坊の僕に、こんな男と女のエピソードなど解る訳もなかったが、後年、これはとても美しい場面だと思うようになった。非常にドラマティックだし、刹那に生きる男の美学としては、こんな恋愛にこそ憧れるもんだ。

が、知人はこういう。「司馬遼太郎的な女性観はどうも、好きじゃない」

続きを想像してみる。
刹那の夫婦ごっこを楽しんだ後、歳三は心おきなく死地へと赴く。転戦を重ね、北の果て函館は五稜郭で命を落とす。
一方、お雪はどうしたのだろう。歳三の訃報を聞く。そもそも、そういう男だと解っていて愛慕した訳だから、そこは諸事覚悟の上だ。しかし、その上で、たった3日間の思い出を胸に死ぬまで生きていける。武士の妻とはそうしたものだ。
・・・とでも司馬先生はお考えなのだろう。

ある意味で、男性側から一方的な理想の女性像を押し付けているのかも知れない。それにそもそも、どんなに美しく描いても、ひどく残酷な事実ではある。現実は、男と女は、こんなもんじゃなかろう。
みじめったらしくて、未練がましくて、せいぜい精一杯格好を付けて、お互いの臓物を曝け出し合って、老いや病や煩悶に向き合い、、、そんなもんじゃないの?

思い出があるから生きていける。

ああ、確かにそうかも知れないね。だけど、逃げ込む先が思い出しか無いのだとしたら、そんなに残酷でつまんない仕打ちはない。目をつむって、また開いて、それで何の景色が変わるんだ?酒呑んで、紛らして、酔いが醒めたら人生は何か変わってるのか?

抜け殻のように思い出にしがみ付くなんて、それがたとい女の人生であっても、男の人生であっても、僕はごめんだ。

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August 13, 2005

OLカフェ会議(議論要旨)

ハカイダーは4人集めてガッタイダーになっても弱かった。けれど、OLさんを4人集めたら・・・。

土曜の午後、行き着けの喫茶店の指定席に陣取った瞬間、不穏なオーラが。
軽薄で他人の噂話が大好きな僕としても、こういうシチュエーションを客観的に聴くのはたまらなく楽しい。以下、会議要旨を箇条書きで示していく。

+++
■仕事の話
・呑み会はウザい。会社の人間と呑むのは面白くないので、いつも時計をチラチラと気にしている。
・仕事仲間とよく行くのはチェーン店型の居酒屋。2時間制(1時間半目でラストオーダー)なので、だらだらと呑まない点が良い。
・職場には正社員の女子があまり居ない。派遣社員の女性は可愛い子が多いので、色々と焦りを感じる。
・同僚のOLはカツラらしい。髪をセットする手間が省けるのだという。

■教育の話
・職場に最近、若手(特に男の子)が入って来ない。若いっつっても30代だそうだ。
・先般、隣の部署に22歳・ウォンビン似の男の子が入ったという噂を聞き、部署のOL総動員で見学に(ウォンビン似はタマッたもんじゃないな・・・)。
・化粧する喜びを思い出している日々。いかにして接近し、教育しようか現在、算段中(逃げろ、ウォンビン、逃げろ!)。

■最近ハマッているドラマの話
・月9にハマっている。妻夫木くんがカッコいいそうだ。信じられないという反応も。
・電車男が面白い。けれど、リアルであんなに奇妙なヒトにはハマるはずがない。
・女系家族、高島礼子の演技が怖い。(あんたらも怖い
+++

ぜんぜん帰る気配もなく、いまは近所の馴付かない犬の話を始めている。
まあ、OLさんの話を耳ダンボになって書き留める僕も僕だ。

が、こういう話が日常、いろんな場所でいろんな時間に行われているんだろうな、、と思う。そして、女性社員が大勢を占める弊社でもきっと・・・と思うと、瞬間、ゾッと背筋が寒くなった気がした。

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August 07, 2005

米国産甘味に一言。

ぜんぜん美味しそうには見えないんだけど、これ、米国人なら垂涎しちゃうのかな・・・。

bavariancake

アメリカの通販番組を見てると、どうにも不味そうな製作物ばかりが登場するので、これも一つの才能だなあ、と薄らな感心さえ覚えるわけですが、それにしても、アメリカのお菓子!

あの大雑把な分量管理と工程管理を観ると、それだけでげっそり感満点。

たしかに、バケツみたいなカップ抱えてアイスを食う国民だし、、けど、ですよ。
ケーキはただ甘けりゃ良いってもんじゃない、ジャリジャリした砂糖の食感は勘弁です。デカケりゃ良いってもんじゃない、あんなに無駄にデカイと食欲にも影響アリです。色と盛り付けもなんとかしてください、原色は使わないで欲しいっす。

「1日1ケーキ」を実践し続けている僕ですが、米国でだけは甘味を口にしません。健康になりたかったら、アメリカに行くべきだな、俺。

monkeycake

ともあれ、この大雑把こそがアメリカの良さなんだろうな、とちょびっと感じた。

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August 05, 2005

書けるまでの時間

悲しみにうなだれる 君を前にして
そうさ何も出来ないでいるのが とてもつらい
せめて君の為に 歌を書きたいけど
もどかしい想いは うまく歌にならない

今 書きとめたい歌
君に捧げる ラブ・ソング

 -岡林信康「君に捧げるラブ・ソング」 

+++

午前3時過ぎの溜息。
何かを書きたいんだけど、書くためには整理することが多くって、なかなかキーボードを打つ手が進まない。

書くというある種の生産活動に真面目に取り組むなら、
気が狂うことも辞さないくらいの気概が必要らしいのだが、なにぶん、浮気な性分なのか、一つ事に狂うほどには熱中も出来ないし、そもそも狂うような性質でもない。

・・・だけれども、書きたい。

順序が逆だけど、いま、狂っちゃおっかな。
編み上がったマフラーの糸がほどける様に、冷えた紅茶をも一度温め直すように。

午前3時には素直な自分が居る。

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