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October 28, 2004

電車に揺られて

そもそもこのブログの中で、「ルサンチマン」なんてカテゴリを作っているくらいだから、善かれ悪しかれボクには、「過去」に対してある種の折り合いをつけたい気持ちに支配される瞬間がある。

恥を忍んで言えば、今の僕は、過去を忌み嫌うことで現在を肯定しようとする気持ちが強い。

なぜこういう心性になっているのか、自分でも十分に説明する言葉を探し当ててない、というのが正直なところなのだが、経験則的には、過去にすがりついたり、美化したりしたことで良い目を見たためしが余り無いということが言えるんじゃないかなあ、、と思う。

中学に入学したとき、くじ引き試験で落っこちてしまった別の中学のことを引きずっていた。そのために、僕は入学後1・2学期の間くらいずっと沈鬱な気持ちに支配されていたことを覚えている。予備校に通い始めたときも、「高校の先生のほうがずっと授業が上手い」なんて思ってた。しぜん、予備校講師の授業をすっかり舐め切って、授業を聞く気にすら成れなかった。大学にしても、結局行けなかった本命大学のことを引きずって、1年間くらいは友達を作る気にも講義を受ける気にも、成れなかった。

いつの頃からだろうか。過去への強烈な思い入れや成功体験にしがみつく心性、美化する気持ちは、僕の人生の中では往々にして、進歩の歩を緩め、停滞させる働きがあることに気づいた。その反動かは解らないが、僕は過去を憎み嫌うときの方が、自分をモチベートするのに都合が良いと思っている。

例えば、前の職場での出来事なんかがそう。
楽しい思い出や、それなりに肝胆相照らせる仲間も見付かった。社会人生活をスタートさせるには結構恵まれた環境だったはずなのだが、いまの僕にとっては、新しい職場・新しい仲間・新しい仕事を見つけ、そこで頑張るために積極的に憎まれるべきものに成ってしまっている。もう前の職場を離れて3年以上経つが、悔しい思い出や辛かった感情だけを敢えて心の引き出しの奥の方から引っ張り出すことで、自分を奮い立たせる材料にしようとしている。
そもそもが自分に甘い人種のせいなのか、楽しい思い出だけでは発奮もモチベーションも喚起はされない。目を輝かすような遠くの夢よりも、自分の身に降りかかった唾棄すべき思い出の数々のほうが自分を揺り動かす力が大きい。

そのお陰もあってか、今は毎日が楽しく、いまの仕事や仲間との間でのやりがい感も覚えている。
ただ、ふっと立ち止まって考えれば、それは、過去に対しての僕の折り合いの付け方に影響されているからかな、とも思う。できることであれば、過去を美しく了解し消化し、次のステップで成功するための糧になるように利用できるように成りたいけどね。。

本来的には、過去なんて、極度に忌み嫌うものでも、また過剰に思い入れ美化するものでもないのだろう。僕らの意思の届かぬ範囲も含めて、ある種の風景のように流れていくような。そう、喩えれば、ただ通過を繰り返す電車のようなものなのかも、知れない。

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Comments

相変わらずの見事なお手前に感嘆するばかりです!
m(__)m
自分が前に進むための燃料として、肯定したり賛美したり強く望んだりする気分を萌え(じゃなくって!)燃やしやすい人、否定的な感情や感覚があると燃えやすい人、いろいろですよね。
とにかくなににせよ、そうやって何かを燃やすこと自体にすでにエネルギーが必要だと思うし、そんなエネルギーが欲しくたって足りない人もたくさんいるし、そもそも「燃えるってなに?」という人もいるな~(笑)
たとえ否定的なモノが燃料であったとしても、いいモノ生み出していて、ご自身が楽しんでらっしゃるなら、それはとってもエネルギッシュで良いじゃありませんか~!
と、低体温的にまったり生きてる人間から見ると、つくづくそう思います~
^_^;

Posted by: たま | October 28, 2004 at 10:34 PM

ご無沙汰しております!
そして、温かいコメントありがとうございます♪

負のエネルギーっていうのを肯定するようで、我ながら
ちょっと恥ずかしい今回のコラムですが、たまさんのように
仰って頂けると救われるような気持ちになります。。

> と、低体温的にまったり生きてる人間から見ると、
> つくづくそう思います~
> ^_^;

「まったりライフ」・・・僕も理想なんですよね・・・。

今後ともよろしうお願いします!

かどぅ拝

Posted by: かどぅ | October 29, 2004 at 10:38 AM

ご無沙汰です。
ある意味それも過去への折り合いのつけ方なんですね。
私の場合、忘れようとすると完璧に忘れますが、その分夢に出てきます。
それもものすごい凝ったストーリーで手を変え品を変え出てきます。
まぁ、人生楽しければそれに越したことは無いですよね。

Posted by: mikio | October 31, 2004 at 04:41 AM

mikio様、ご無沙汰しております。

>忘れようとすると完璧に忘れますが、その分夢に出てきます。
>それもものすごい凝ったストーリーで手を変え品を変え出てきます。

ひょっとしたら、僕らが子供の頃から経験してきたあらゆることは何処かに記憶されていて、忘れることなんてできずに、『手を変え品を変え』て蘇るものなのかも知れないですね。。
過去とどれほど折り合いをつけたと思っていても、夢や無意識までは操作できないのかな・・・。

mikioさんのご指摘にも、色々と考えされられつつ、しかし、「楽しい」と思う感覚が重要な気もします。
今後ともよろしくお願いします。

==
かどぅ拝

Posted by: かどぅ | October 31, 2004 at 04:28 PM

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