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August 10, 2004

はじめての洗脳

うーん・・・題名はもっとポップにしたほうが良かったかしら?
最近のコラムでは、中高生時代の昔話に触れることが多いんですが、今回も僕が中坊の頃の話。

生徒会役員をやっていたこともあって、お客様ってのを頻繁に出迎えなきゃいけなかったんですよ。
で、中2の頃だったかなあ、カナダ人中学生でユネスコのボランティアをやっているって男の子が来校しまして。。これが、金髪で青い瞳、すらっとしててカッコいい、モデルみたいな男の子なんですよ。もう、同じ生徒会の女の子なんて、ガイジン見たこと無いわ、しかもイケメンってことで、一瞬でクラッとしてましたです。
あ、僕らモテない男子組はもちろん、隅っこのほうでブツクサ言ってましたが。

カナダ人A君は、足しげく我が校に通ってくれまして、また僕も彼の家に行ったりで、数日のうちにそれなりに打ち解けてきたんです。
が、そんなある日。A君はこう言いました。「今日は2時間くらい時間をください。そして、20人ほど集めてください」と。
「カッコいいガイジンとお話をする会」というフレコミで、造作無く20人は集まった。僕らは視聴覚室に行く。視聴覚室には、A君の父親が来ていた。今日の話は父親からだというのだ。
A君の父親は、用意していたビラをささっと配ると、深刻な顔つきで語りだした。
いま、世界には密かな危機が迫っている、と。世紀末を控え、悪魔の数字「666」を刻印された人々が増殖している。しかし肉眼ではその刻印は判らず、その数字を持つ者に人々は支配されるようになる時代が間もなく来る、と。ビラには、額に「666」が刻印された医者やビジネスマンが、人々を襲うおぞましい絵が有った。
A君の親父の話は1時間以上にわたった。薄暗い視聴覚室で、カタコトの日本語は余計に真摯さを増して聞こえた。そして、とどめの一発はA君だった。

「ボクはミンナが助かる方法をシッテマス。この本をヨンデクダサイ。シンジル人は、目をつぶって、手をアゲテ!」

その呼びかけに、周りからサーッと手が挙がるのを感じた。薄目をあけて見渡すと、実に、ほとんど全員。手を挙げてない不届き者は、僕と、ヤンキー女の先輩だけだった。『立場上、手を挙げといたほうが良かったかなあ・・・』とも思ったが、もう一人挙げてないのが居たので安心した。心の中では謝った。『ごめん、A君、うち、仏教徒なもんで。。』
後から解ったことだが、A君の父親は牧師で、うちの田舎あたりで布教活動を真面目に熱心に行なっていたらしい。別段、悪いひとでも無かったようだ。

以後にも、宗教に勧誘されたりした経験などは有ったものの、あそこまで印象的な出来事はなかった。密集した空間で怖い話を延々と聞かされりゃ、そら平静では居られなくなるものだ。まあ、でも、普通の日常生活を送る上で、教育としてのマインドコントロールはある意味で、重要なテクニックになるわけだし。かかる幸せっていうのも有るのかも知れないですけどね。

視聴覚室での話が終わると、手を挙げなかったもう一人に聞きに言った。
「ねえ先輩、先輩はどうして手を挙げなかったんですか?」
「あ、アタシ?だって、信じたところで小遣いが増えるわけじゃないし。彼氏ができるわけでもないしさ。」

・・・現実は宗教よりも怖い。

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Comments

先輩サイコー。

Posted by: akari | August 10, 2004 at 07:26 PM

読んでたら、いろいろ浮かんできちゃいました。。。
そんなわけでTBお送りいたしました。m(_ _)m

Posted by: たま | August 10, 2004 at 11:42 PM

申し訳ありません。サーバー激重。
TBが二つになってしまいました。
お手数おかけしますが、削除してください。

Posted by: たま | August 11, 2004 at 12:05 AM

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