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July 30, 2004

御用だ、誤用だ!

唄は世につれ、世は唄につれ・・・なんてえことをよく申しますが、言葉の世界もまさに「世につれ」なのでしょうか。誤用って結構多いですよね。僕がここ1週間くらいの間に出会った誤用をちょっとメモ程度に取り上げてみます。

●煮詰まる(に-つ・まる(動))
・・・誤用の代表選手ですね。
(例)「仕事に煮詰まった」「会議中、議論に煮詰まった」
本来は煮物をぐつぐつ煮込んで、水分がなくなるのに近づく状態のことを指すわけですから、「結論に近づく・完成一歩手前」なんて意味が辞書的には正しいんですよね。そうすると、上の例はいずれも、「行き詰る」との間での勘違い。けど、今、世間では「行き詰る」の意味で使うひとが7割くらいでしょうから、まあそのうち、辞書には誤用のほうが載るようになるですだよ。そういえば、テレビを見てて、とあるアナウンサーも『行き詰る』の意味で言ってたなあ・・・。

●テンション(てんしょん(名))
お笑いが大好きなんですが、よくお笑い番組では「テンションが低い」とか「テンションを上げていかなきゃ」みたいな台詞がありますね。でも、辞書的な意味では「tension=緊張(感)」ということなので、「concentrating(専念する・集中する)」のほうがむしろ、意味としては近い気がする。巷間よく使われる、「盛り上がり」「騒ぎっぷり」という意味は、「ハイ・テンション(これは英語でも存在する言葉です)」から派生したのかな・・・と。

●確信犯(かくしん-はん(名))
これは結構、面白い。正しく辞書的意味を言えるひとって以外に少ないかも。
「確信犯」とは本来、「宗教・政治などの思想信条を確信する人物が、『俺のやってることは正しい』と確信して引き起こす犯罪」のこと。戦前なんかには多かったけど、幸徳秋水や大杉栄の生き様なんて、まさにこれ。
いまの世に使われる確信犯という言葉は、「悪いってわかっちゃいるけど、やっちまった悪さ」という意味がある感じですよね。法的には「故意犯」というのが正しい言い方なんじゃないかな、と思いますが、ま。

別にここで、正しい言語ハンターっぷりを世に晒すつもりはさらさら無いんですが、言葉って不思議なもので、お互いの言語的な思想的な育ちようが根底にあってはじめて、対話として十分に成立しうる性質もあるのかな、と思ったりします。友人は必死に「煮詰まる自分」を訴えるんだけど、僕には「それっていいことじゃん」と思えたり。(それは僕の文脈読解力のほうに問題があるか・・・(爆))
こればっかりは、多数者が使うことがやがて、正しいことになっていくのかなあ・・・それって諦観かしら?いや、希望的諦観ってことで。(爆)

「君と世界との闘いでは、世界を支援せよ」(F.Kafka)

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Comments

・・・本文ではえらそうなことを言ってますが、
昨日上司と話をしていて「易化」を「えきか」だとずっと思っていたことが判明。そっか、
・「易」=「い」と読むときは「簡単」
・「易」=「えき」と読むときは「変革」
の意味なんだな、と。

誤用されてしまいました・・・。

Posted by: かどぅ | July 31, 2004 at 03:17 PM

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