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May 23, 2004

蝙蝠の迷走。

むかし、「けものの国」と「とりの国」が大戦争をはじめたときのこと。

獣の国では鳥を捕まえ、鳥の国でも獣を捕まえ、お互いに殺しあっておりました。
そんな折、洞窟から出てきたのがコウモリ。
獣はコウモリを捕まえると、「こいつは羽根があるから鳥の仲間だ、殺そう」と。

コウモリさんは言いました。

「僕の顔と体を見てください。ネズミそっくりでしょう?僕はネズミの仲間なんです。君たちと同じ獣の一種なんです。」

なるほど、と獣たちは納得してコウモリを釈放しました。しかし今度は鳥の国の兵隊に捕まってしまった。 
「おい、こいつは顔も体もネズミそっくりだ。獣は敵だ。殺そう」と。

そこで、コウモリは言いました。

「僕にはこんなに大きな翼があります。こんな獣がどこにいますか?僕は君たちの仲間なんです。」

こうしてコウモリは難を逃れました。(「イソップ物語」より)

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僕はとあるIT・会計系コンサルティング会社が社会人生活のスタートでした。
その会社では、来る日も来る日も、プログラミングやらバッチ処理やら、データ移行管理やらをさせられておりました。
が、会社の体裁はコンサルティング・ファーム。お客様の前に立つときには、急に「経営コンサルタント」の仮面を被って堂々と意見を言わねばならない立場に。。

がんらい知行不一致が売りの私には、こんなどっちつかずっぷりの自分のありようはさほど苦手でもなかったんですが。。

いまだに続く、蝙蝠癖。
いっぱしの思想家をきどってみても、文芸や映画や思想には思索の深みが足らず徹底しきれず、しかして、ビジネスマンとしては脇が甘く本性的な嗅覚の部分で自分には向いてないのでは、と煩悶。
そのくせ、プライドの高さが邪魔をして、思想の世界にはリアルビジネスの見地から、実ビジネスの世界には思想哲学の視点から、つい自分の身を都合よく置いてしまうこともしばしば。。
ふと気が付くと、20代も終わりに差し掛かった。

・・・蝙蝠よ、つぎは、何処へ?

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Comments

う~ん、蝙蝠ですか。確かに誰もが持ってる性癖ですよね。僕自身も、自己保身のために時には悪党ぶってみたり、時には良識あるふりをしてみたりして、対応する人やオケージョンに合わせて、対人関係を壊さないようにオブラードに包んで自分を守ってますね。こういう結論はあまりにも凡庸ですけど、社会的な生き物である以上、そういう二面性はだれもが持っているんでしょうね。その二面性のふり幅が小さい人は確固とした自分のある人と評じられるし、そのふり幅があんまり大きい人は、信用されんでしょうね。イソップじゃないですが。まったく変わらない人は天才か馬鹿でしょうか。

Posted by: ラスベガスをやっつけろ | May 31, 2004 at 03:15 PM

ラスベガスさん、コメントありがとうございます。

>僕自身も、自己保身のために時には悪党ぶってみたり、
>時には良識あるふりをしてみたりして、
>対応する人やオケージョンに合わせて、対人関係を壊さない
>ようにオブラードに包んで自分を守ってますね。
ラスベガスさんの普段のご様子が目に浮かぶようです。やはり背景には、他者に対する心遣いがあるのでしょうね。

二面性のふり幅が他者にどう受容されるか、というのは結構面白い話でして。。

通俗言われるイソップ物語の解釈では「獣と鳥の双方に良い顔をした蝙蝠は信頼を失う」というのが多いようですが、一方で「蝙蝠が戦争の中を生き残った逞しい知恵を高く評価すべき」という解釈もあるようです。

生き残りの厳しい現代に生きるサラリーマンとしては、後者の解釈のほうが、実践的な気もしますが。。

Posted by: かどぅ | June 01, 2004 at 01:47 PM

はじめまして。
わたしもずいぶん長いことはっきりと自覚して、誇張演技も入れながら蝙蝠しております。
論理も感覚もどちらも欲しいと思っていたら、居場所がなくなりました。
ハイパーキャリアウーマンになろうとしてたのに、何の因果か現在は「小理屈唱えるブルーワーカー」と自称する指圧鍼灸師になりまして、肉体労働しながら小難しいこと言う存在に対して、周りが扱いに困るのをわざと楽しむ余裕もできました(笑)
それにしても世の中では、分類不能なモノはあまり好まれないように思います。
社会生活の中では、わかりやすく「わたしはこういう人」として振舞ったほうが余計な摩擦が少ないからでしょうか。

背景のダークブルーと文章が合わさっての雰囲気(物事との距離感、って感じでしょうか)に惹かれました。
また遊びに来ますね。それでは!


Posted by: たま | June 03, 2004 at 02:42 PM

>たま様
コメントありがとうございます。

>ハイパーキャリアウーマンになろうとしてたのに、
>何の因果か現在は「小理屈唱えるブルーワーカー」と
>自称する指圧鍼灸師になりまして、肉体労働しながら
>小難しいこと言う存在に対して、周りが扱いに困るのを
>わざと楽しむ余裕もできました(笑)

自分でカテゴリを作れれば強いですよね。。
仕事がら、いろんな企業のブランド構築コンサルティングに携わることが多いのですが、「自分のブランド化」ができたら、もうこれに勝る存在は無いですね。

世に有る分類の中で成長していく生き方は当然あるでしょうが、流行や廃り、成熟化の波にどうしても晒されてしまいます。でも、「自分ブランド」は一生モノですからね。

僕も、誰をも認めさせる(笑わせる?)「自分ブランド」を作りたいなと、たまさんに倣いたいとこです・・・。

追記:
たまさんのサイト、こだわりが感じられますね。僕も遊びにいかせて頂きます。今後とも、どうぞよろしくお願いします!

Posted by: かどぅ | June 04, 2004 at 03:06 AM

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