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April 15, 2004

サービス業におけるリスク管理

1つ前のコラムで、ラスベガスの豪華ホテルにおける停電事故をとり上げた。
ラスベガスという街は電気を売ってカネにしている、と言っても過言ではない。この手の停電事故自体も信じられないことなのだが、それ以上に、ホテル側の対応は信じられないほど拙劣だった。

おそらく、ホテル従業員の多くは、事態がすぐに収束するものと楽観視していたのではないだろうか。停電は僕らがカフェを愉しんでいた夜中の25時くらいに発生し、あたりは真っ暗になった。が、そのとき僕らには何らかの演出なのかとすら思えていた。しかし、朝になってもそれは収拾していなかった。

朝を迎えた僕らにも事故の説明はなにひとつなく、ただホテルの1階で、お姉さんがミネラルウォーターを無料サービスで配っているだけが、かろうじての彼らの「サービス精神」に見えた。

昼過ぎにホテルに戻っても、事態は解決して居なかった。むしろ、停電箇所は広がり、ますます混乱の度合いは増しているようにも思えた。フロントは、宿泊客で溢れていた。

Bellagio7.jpg

電話とエレベータは通じていた。共用施設(インフラ)から先に供給しようというのかも知れないが、それ自体は正しい処置だと思う。しかし、一番の問題が依然、残っていた。それは、「アカウンタビリティ(accountability)」である。

英語で「責任」と言う単語は他にもあるが、「responsibility」は“respons”(=返事)をする責任、つまり自己が他者に求められる「返事」なのに対して、「accountabilty」は“accont”(=計算・会計結果)を報告する責任、すなわち「(数字などの)客観的な証拠を使って他者を納得させる責任」なのである。

ホテル側は、何故事故が(原因)、今後どのような見通しが(見解)、代替措置はどう考えるか(安堵)などのあらゆる情報を提供し、アカウンタビリティを果たすべきであったと思う。とりわけ、サービス業は消費財と違って、接客に当たる従業員の一挙一動が売り物になる。また、顧客の側も経験価値や口コミを重要な評価尺度にしている以上、その満足と信頼をつなぎ止めるために、細心の注意を払うべきではなかったろうか?

もちろん、中途半端に情報を開示して、顧客の側に余計な不安感や過剰な安心感を与えるのは得策ではない。しかし、初動の段階で取り組み方針を迅速に打ち出すことができたなら、却ってホテルへの信頼を増すことができたのではないか、と思うと残念な感が残った。

<参考ページ>
日本リスクマネジメント学会理事長講演「危機管理とリスクマネジメント」 

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