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April 18, 2004

官僚制、何処が悪い?(2/2)

近代国家の発展において、官僚の果たしてきた役割は決して見過ごせない。しかし同時に、官僚制には構造的な弊害も認められるのである。一例を挙げれば・・・

・セクショナリズム、責任逃れ
・先例主義、形式主義(文書中心主義)、柔軟性の欠如
・市民・大衆社会からの心理的乖離(一部エリートによる独善化)
・繁文縟礼(はんぶんじょくれい:手続きの面倒くささ)

などなどである。とくに、アメリカの社会学者ロバート・マートンは、目的を効率よく遂行するために設けたはずの形式性・合理性が、かえって定型的な官僚の行動を産み、新たな状況に柔軟に対応できなくなって能率が低下する様を「官僚制の逆機能」と名づけた。

官僚制のまずさは他にもある。たとえば、官公庁におけるたいていの報告文書は決定権を持たない末端の官僚が作成するのだが、それがいくつもの上司のチェックを経て、決定権を持つ上司まで到達したときに、上長は自分のところまで到達したというプロセス自体に正当性を感じてしまい、内容が精査されることなくそれが承認される、という責任所在の不明確なシステム(稟議制の悪弊)が存在したりする。

ここまで官僚制の悪弊を見てきたが、では、どうすればいいのか?いささか平板なアイデアではあるが、やはり、「外部(民間)の知見の導入」「緊急課題に関する時限的・超組織的な取り組み」「顔の見える役人づくり(いまでも、一部でスター官僚は居るが)」「政治リーダーシップの強大化」、、などが望むべき姿であろう。そして勿論、官僚の持つ中立性は重視されねばならないし、機能的で緻密な処理能力の高さは維持してもらわなければならない。

そしてもう一つ。マス・メディアに対して言いたい。
噛み付く相手としての官僚を見つけるのは大いに結構かも知れないが、このままでは公益のために働こうという者の意思をも挫くことになる。いまの小学生の成りたい職業ランキングを見てみるといいが、政治家や官僚になりたい、などという生徒は皆無になってしまったように。

官僚制。もちろん、問題は様々にあるのだろうけど、僕らは「良い市民」として暖かくこれを育てることも重要ではないだろうか。。

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